ユニバーサル・スタジオ・ジャパン体験記 

幸いなことに、私はオープン前に4回園内にはいることが出来ました。
すべて、友人であるユニバーサル・スタジオ・アートディレクターの『Ross Gallichotte』のおかげです。

一度目は、昨年(2000年)の5月上旬でした。
この時は、まだまだ工事の真っ最中という感じで、本当にこれが巨大テーマパークになるの?と言う感じでした。

この時は、電車で行ったのですが、まだユニバーサルシティ駅はなかったので、桜島駅まで行きました。
駅に着くと、Rossが車で迎えに来てくれて、まず彼のオフィスへ。
ここで驚いたのは、彼らアメリカのユニバーサル・スタジオから来ている数百人のスタッフと各建設会社の日本人スタッフは全く別の、しかもかなり離れたところにそれぞれプレハブのオフィスがありました。
プレハブのオフィスと言っても3階建てでかなり大きな物が、5棟か6棟くらいあったように思います。
もちろん、私はアメリカ人用のオフィスに行ったのですが、そこはほとんど英語圏。
日本人は、アメリカ人スタッフの為の通訳やサポートをされる方だけみたいな感じでした。
ちょうど昼時だったので、プレハブオフィス街の一角にある食堂に連れて行ってくれました。
一応テーブルにはちゃんとテーブルクロスと一輪ざしが。
まわりは、英語だらけで頭が痛くなってきました。
それでも何人かRossが友達を紹介してくれたので、何とか握手くらいはして挨拶をしました。

食事も終わり、いよいよ未体験ゾーンへ。
ここでも驚くことが。
アメリカ人スタッフにはゴルフカートを利用した乗り物が用意されているのです。
しかも、その数30台以上はあったでしょうか?しかもそれらの整備のために、ちゃんとつなぎの整備服を着た人が3人常駐しているのです。
その内の1台をRossが運転し、私は横に乗って中に入っていきました。
Rossの担当しているのはニューヨークエリアとサンフランシスコエリアです。それ以外の所には行けません。
道路はまだ舗装されていませんし、鉄骨も壁もむき出しで完成を予想するのは難しい状態でした。

色々と見せてもらったのですが、その中でも絶対に今後も体験できないところに行きました。
ユニバーサル・スタジオにはラグーンと呼ばれる池が敷地中央にあるのですが、この時はまだ池自体にも仕掛けを作る工事中だったので、水が入っていませんでした。そこでRossはカートで池の底をあちこち走り回って説明してくれました。現在この池では、夜になるとショーが行われています。今思えば、この池底体験は貴重な体験でした。
3時間くらいの体験でしたが、今となっては、ああ、あのときの作りかけがこれだ、とか、この池のそこを走ったんだ、とかある意味では楽しいです。

2回目に入ったのは、昨年(2000年)の12月23日。
一週間ほど前に、突然、Rossからのメールで限定のプレビューがあるが来られないかというものでした。
23日は土曜日で、祭日で、店を休むことになるので、行くことは出来ないと一度は断ったのですが、再度Rossからのメールで、この機会を逃せば今後招待で中には入れないかもしれない(結果的にはその後も招待はあったのですが)と言ってきたので、せっかくの彼からの招待、意を決して店を休んで行くことにしました。行くことが決まると、今度は何人は入れるのかが問題です。早速、彼に聞くと、招待状はスタッフ一人につき2枚の割り当てとのことでしたが、同じ行くのなら私の子供や両親を連れて行きたいので何とか6人入れないか聞きました。
彼からの答えは『ノー』でしたが、持つべきものは友達。三日前に彼から全員の分が用意できたから6人で来るように。
Ross!君は素晴らしい!ところが、今度は子供達がアルバイトで行けないと言いだしたので、2枚余ることに。そこで、問屋の方を二人お連れしました。
あとで、Rossに聞くと私のために、アメリカ人スタッフの友人から集めてくれたそうで、感謝!感謝!
この時の様子はこちらに書いていますので、それをご覧下さい。

3回目に入ったのは、今年の2月15日。
Rossの日本滞在もいよいよ大詰め。そう思って、彼に何か記念になるものをと思い、フェラーリのプラモデルを作ってプレゼントしに行きました。
結構、手間がかかったのですが、彼のオフィスに行って彼に渡すと、友人に見せびらかしてくれて自慢していました。彼の友人達も色々とおせじ?を言いながら真剣に見てくれました。模型好きの連中が多いみたい。
11時前についたのですが、友達に見せたりしているうちに時間が来たので、昼食をとりに行こうと言うことになりました。
以前とは違う場所になっているのですが、それでもアメリカ人スタッフのオフィスは園外です。
どこに行くのかなと思っていると、彼の車に乗るようにと言われ、そのまま走り出したと思ったら向かいにあるユニバーサル・スタジオのスタッフ専用の通用門へ。そこで、ガードマンにIDカードを見せ、園内へ。ラッキー!!!。
園内ではすでに音楽も鳴り響き、工事関係の人や、開園のためのトレーニング中のユニバーサル・スタジオのスタッフがいっぱいです。
12月に来たときよりも、もっと、もっと華やかに、雰囲気が良くなって、いよいよオープンが近づいているなぁと感じさせます。
ワクワクします。
Rossと一緒に、まずレストランへ。えっ?営業してるの?って思ったのですが、ついていくしかない。
Rossが連れてくれたのは、JAWSの横にあるレストラン。どうやら、スタッフの練習を兼ねて日替わりであちこちのレストランが交代でお客さんを入れるようです。
入り口で料理名を書いた紙を抽選箱から取り出します。これはたぶん、まだ通常営業の状態に出来ないのである程度料理を限定しているためだと思います。私が、一枚紙を取って、Rossを見ると何枚も取り出し選んでいます。Rossに、これは抽選方式だよと言うと、いや、こうやってするのがアメリカの抽選方式とニヤリと言いました。
紙を持ってレジの所に行くと、レジの方が『ご注文は○○と××でよろしいでしょうか?お飲物はどれにしましょうか?』『コーヒーをお願いします』『以上でよろしいでしょうか?お会計△△△円になります。』と言うことで、お金はいるんだと思い、財布を出しかけるとレジの人が慌てて『トレーニング中ですのでお代金は結構です。』そして、レジを打って『×○円、お返しいたします。』
そうです。いわゆるお店やさんごっこ。これもレジ係の人たちのトレーニング。タダで、食べました。
その後も近くにあるアイスクリームショップでも同じようにタダでした。
アトラクションも日替わりでスタッフトレーニングを兼ねて見られるようになっていました。
この日は、『スヌーピーランド』と『アニメ・セレブレイション』。もちろんどちらもしっかり見ました。
また、メルズ・レストランの前ではアメリカン・グラフィティ風の歌の練習をしていたり、オールド・ウェストではウェスタンのアクションの練習をしていました。
ニューヨークエリアとサンフランシスコエリアの境の辺りでブルースブラザースの練習も見ることが出来ました。
これを見ているときに、Rossは日本人のスタッフと仕事の話をしているようだったので、ブルースブラザースのショーの練習を見ながら、Rossのいる方を見たときに壁に書いている文字になにやら見覚えが。『Stephen Dane』。これって?仕事を終えたRossに聞くとやはり、スティーブンの名前を書いているとの事でした。そして、私に手招きをして、彼の指さす方を見ると『Gallichotte apartment』の文字が。
おい、おい。こんなとこに名前を残していくんかい。でも、ちょっと羨ましいです。自分の仕事の証をこういう形で、しかもこんな大舞台に。
その後も途中で何カ所も、何カ所も立ち止まってはチェック。チェック。チェック。彼の仕事に対する細やかさ、こだわり、職人気質をいやと言うほど見た思いです。ドアハンドル一個、ブラインド一枚、カーテンの開け具合まで細かく、念入りに調べていきます。
途中で、疲れて二人でベンチに座り、何を話すわけでもなく、ボーっとしていました。Rossは何を考えていたのか・・・。私は、もうすぐ彼も帰るんだなぁ。もっと一緒に遊べばよかった。
どのくらい二人でボーっとしていたでしょうか。少し西日がまぶしく感じます。
突然Rossがベンチから立ち上がり『kiyo!look!』。彼の指さす方を見ると、橋がせり上がり、跳ね橋になりました。
少し待っていると、ラグーンショーでつかうフロートがゆっくり、ゆっくり移動していきます。それを見ながら、Rossと歩きラグーンで行われる予定のショーの説明。どこか見たいところは?と言うので、バック・トゥー・ザ・フューチャーというと、OK!。建物の前に来ると、アメリカ人スタッフがちょうど出てきて、Rossが彼らに動かせないかどうか聞いてくれたのですが、他のスタッフがいないので無理。Sorryと言ってくれました。
それでも、見るだけならと中に連れて行ってくれ色々見せてもらいました。
出てくるときにお客さんの並ぶ場所らしきものが目に付いたので、Rossに聞くとやはり並ぶところ。すごく広くてここにいっぱい並べばすごい待ち時間になるのではと思い、Rossに『ここに人がいっぱい並べば、1時間待ち?2時間待ち?』と聞くと、『No』。『もっと早くすむの?』『No』。『3時間以上?』『No』。?????。どういうこと?『forever』。二人で大笑い。
時計を見ると4時前。Rossがちょっと待ってくれと言うのでついていくと、日本人スタッフのいる建物へ。
そこで、通訳の人を呼んで、現場監督らしき人たちを4,5人集めて、色々指示。ここでも、彼のこだわりが。
30分くらい打ち合わせをして、彼と一緒にRossのオフィスに戻りました。
こうして、久しぶりにゆっくりとRossと過ごすことが出来ました。

4回目の入園はこちらをご覧下さい。
4回目にして、初めてまともな営業モードに入ったユニバーサル・スタジオ・ジャパン体験です。

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